physics0523's 精進ログ

主に競プロの面白い問題の解法をメモします

AtCoder Regular Contest 174 Writer記

この世で最も愚かなレート遷移

 

AtCoder Regular Contest 174 - AtCoder

 

ARCの単独Writerができたので、くう疲みたいな怪文章をこの世にひとつ増やしたいと思います。

コンテスト観戦総括

Aはかなり素直なARC-Aなので、2080AC出て安心。
Bは予想以上に通された印象。ただBC間が大きく開いているので A=B は割と成功しているのか?
C は思ったよりもやや通されなかった印象。 CD逆転ルートはありうるケースの1つとして想定済み。
C は無限和の処理に困ったんだろうなと感じられる。ただDとひっくり返るのは人々の観察眼が冴えすぎてる?
D は実験やるだけなので、「実験やってよ~」と念を送ってあげたかった。
E は予想より少し多い AC count。やっぱ得意なんですね…
F は開始 101 分時点で FA と肝を冷やす事態に。これそんな難しかったのかな…

Fが>=20ACになるかと思いきや蓋を開けてみれば2AC、全完が1人というunexpected 劇的な展開に。

作問傾向について

今回は自然界から物凄く素直に作問した問題が多いので、「物理好きはこういう問題作る」の参考にならないと思いますw
正直に言うと、普段のARCらしくも、普段の僕(yukicoderのアドベコンのアルゴ問とかABC200とかで最も強く自分らしさが出てると思います)らしくもないセットが出てきたんじゃないかなと思っています。

 

セット組みの流れ

現DEFを含むセットをCDEFのうちCを含む3問埋まればいいかくらいの気持ちで投げると、まさかの最も上の難易度帯で通った。そのため最後まで「このセット簡単だろwww」を恐れる事態に。
その後、簡単枠として現Cを追加、新たにABを生やしてセット完成。

各問題のお気持ち部分について

A(予想200diff):
簡単枠、やること自体は ABC-CD 級です。とはいえ素直なARC-Aとしてかなり良いものが置けたのではないでしょうか。

 

B(予想900diff):
沼る人は沼りそう、ただカンでも当たりそうということで900diff予想。
難易度は恐らく400相当だが、全体のゲームバランスやtester体感などを参考に300に移動。

solved.ac の難易度投票システムって、現在のTierから5段階以上離れた評価を付ける際はコメントが必須になるんですよ。
という訳で、この「投票」と「手間」を「レビュー」と「賄賂」に言い換え、面白目な設定に持ち込んで完成。

 

C(予想1600diff):
立式と無限和を正しく処理出来れば3点枠、処理できなければ苦しいか。

YouTuberの動画を漁っていたところ、ルーレットを回して
・今まで出ていない目には褒美がある
・今まで出た目には罰がある
・全部出るまで終わらない
というまんまな設定があったので、そのまま問題になりました。

 

D(予想1600diff):
お ま た せ
い つ も の
春 の 一 発 ギ ャ グ 祭 り
本当は任意進数だったり $N$ の桁数がもっと大きかったりしたのですが、単純に訊きましょうということになり超一発ギャグに。
実験する発想に至れるかの一発勝負で、コンテスト進行によっては AC count が C<<D になるのではとも思っていました。

あるときふと「平方根をすっごいサボって接頭辞で近似したら爆速なんじゃないか」という愚かな考えが浮かびました。
その結果、近似精度は本当にダメダメだったのですが代わりに面白い挙動が得られたので問題に。
証明はめちゃくちゃ受験整数です。やる気があるなら頑張ってみてください。

 

E(予想2300diff): 
割とムズイ、割とムズイし橙白抜きくらいになって欲しいが日本人はこの手の数え上げが得意なので…
数え上げにしてはかなり珍しい、良心に従った方針でそのまま正解できる問題になっていると思います。

Wikipediaを漁って遊んでいると、「投票券(公営競技)」の項目の中にかなり心ときめく図があり、図中の任意の長方形に含まれる赤マスの数を数えたくなりました。
その後設定を「集合」から「順列」に変えて各要素の頻度を尋ねる今の形に。

心ときめく図

 

F(予想3000diff): 
ARC-Fにしては異例なデータ構造+実装ゲーになっていると思います。そのため従来のFより通されて3000diffくらいに落ち着くんじゃないかと予想していました。
ゲームの解析も大事っちゃ大事なんですが、むしろそれが終わって後退解析をどう実装するかが本質です。

これもYouTuberの動画を漁っていたところ、「N言っちゃダメゲーム」を3人以上で行っているシーンを見ました。
競プロerなら当然「このゲームにおいて複数人が結託した場合にどうなるか」を解析したくなるのが性でしょう。(?)
この「複数人」の設定が「1ターンに取れる石の数の制約」として再現され、今のゲームに。(元々は本当に複数人結託させる問題文でした)
最初は同じゲームを扱った少し異なる問題でしたが、破綻していたことが発覚して今の問題に。

 

ARC、そんなにたくさん生えるものではない(特に、今回のように自然界を研究して高難度にするパターンなら尚更)ので、年1くらいでやれれば最高かな~くらいの気持ちです。今回だけで撃沈しないように頑張ります、マジで。

最後になりましたが、ご参加頂き誠にありがとうございました!